日本給水党はてな支部

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正しい?「六甲おろし」の歌い方

阪神タイガースの歌、通称「六甲おろし」。タイガースファンはもちろんのこと、関西では広く一般に親しまれている楽曲です。ところがこの六甲おろし“輝く我が名ぞ 阪神タイガースというフレーズの中で2ヶ所、人によって歌い方の違う部分があります。どうせなら正しい歌い方で歌いたい!そう考え、検証してみました。

その1 “我が名ぞ”は「わがーなぞ」か「わがぁなぁぞ」か

“我が名ぞ”の部分で、“我が~”と伸ばして歌うか、“が”と“な”を同程度に少しだけ伸ばし弾むように歌うか。球場で聴く限りは前者で歌うファンの方が優勢のようですが、甲子園球場で球団が流す音源は後者です。

その2“はんしーん”の「は」と「ん」を同じ音にするか、「ん」を半音下げるか

こちらは球場で聴いても分からないくらい細かな違い。おそらく大半は前者で歌っていると思いますが、レコード化された音源では「ん」を半音下げたものも多いです。なお、この問題についてはMegaphoneBeatというサイトで、阪神の[ん]問題として詳しく論じられています。

 

これら2点について、キダ・タロー氏はその1、その2ともオリジナルの譜面に忠実で正しいのは後者であり、作曲者である古関裕而さん本人にも確認しているとのこと。

 <参考リンク>

 CG★ソフトなんでも覚書: 【Kinki】阪神・淡路大震災から15年、「六甲おろし」の間違い、「はばタン」

オリジナルの譜面が手元にないし、あったところで僕は譜面を読めませんので確認のしようもないのですが、プロの作曲家であるキダ先生が言うのだから、譜面に忠実なのはその1、その2とも後者なのは間違いないのでしょう。それは分かるのですが、では過去に発表された音源は実際どうなっているのか。譜面に忠実な音源はあるのか。調べてみました。

 

中野忠晴「大阪タイガースの歌」(1936年)

 

球団創立に合わせ、初めて録音された歴史的音源。その1については「わがーなぞ」と伸ばして、その2については分かりにくいですが半音下げずに平板に歌っているように聴こえます。つまり、2ヶ所ともキダ先生のいう「譜面に忠実な歌唱」とは反対に歌っています。中野忠晴は武蔵野音楽学校出身で、コロムビア・ナカノ・リズムボーイズを率いた人気歌手。譜面が読めなかったとは考えにくいのですが…。

また、2番と3番の間奏では、その1は中野の歌と同様「わがーなぞ」と伸ばして、その2は歌と違い「ん」を半音下げて演奏しています。譜面、歌唱、オーケストラ。どうやら最初の音源からすでに混乱が生じているようです。

 

若山彰阪神タイガースの歌」(1961年)

 http://youtu.be/zaZpBPDEqPE?t=4m (動画埋め込みができないのでリンク貼付け)

球団名が「大阪タイガース」から「阪神タイガース」に変わったのに伴い、再録音されたバージョン。ここでは、若山彰の歌唱も間奏のオケもその1を「わがーなぞ」、その2は「ん」を半音下げています。つまり「大阪タイガースの歌」のオケとまったく同じです。

 

立川清登「六甲おろし阪神タイガースの歌~」(1985年)

 

優勝・日本一に輝いた1985年に発表された、立川清登によるバージョン。格調高いバリトンボイスで、このバージョンを「正調」と認定するファンも多い。その評価に違わずと言うべきか、その1は「わがぁなぁぞ」、その2は「ん」を半音下げて歌っており、キダ先生のいう「譜面に忠実な歌唱」になっています。

 

唐渡吉則六甲おろし

 

毎日放送のタイガースレポーターとして活躍した唐渡吉則が歌うバージョン。現在、阪神甲子園球場で球団が流しているのはこのバージョンのカラオケ。ここではその1を「わがぁなぁぞ」、その2は「ん」を下げず平板に歌っています。このバージョンは他のものよりキーが低いし、演奏も安っぽい打ち込みであまり好きではありません。

 

道上洋三六甲おろし(阪神タイガースの歌)」(1985年)

 

毎日放送が唐渡さんなら、朝日放送道上洋三さん。1977年からABCラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」のパーソナリティーを務めており、阪神が勝った翌日は必ずと言っていいほど番組内で「六甲おろし」を歌っています。僕も小学生の頃、この番組で覚えました。で、道上さんですが、その1は「わがーなぞ」、その2は「ん」を半音下げています。若山彰版、中野忠晴のオケ版と同じです(ちなみにネット上で音源はみつけられませんでしたが、この番組の前身である「おはようパーソナリティ中村鋭一です」の担当者であり、六甲おろしを一般に広めた最大の貢献者とも言われる中村鋭一も同じ歌い方)。

ただし道上さん、最近はキダ先生の指摘を受け入れ、その1を「わがぁなぁぞ」にして歌っています。

 

以上、いろんな方の「六甲おろし」を聴いてみましたがいかがだったでしょうか?なかなか「コレが正しい!」と一概には決められない状況であることが分かったと思います。ファンとしては、こういう違いがあることを認識した上で、好きなように歌ったらいいんじゃないでしょうか。